翌朝、鈴江は普段よりも一時間近く早く登校した。
卓也の下駄箱の前で深呼吸する。
両手で握りしめた薄水色の封筒の中には、鈴江が一晩かけて書き綴った恋文が入っている。いわゆるラブレターである。
鈴江は、勇気を振り絞り、そっと卓也の上履きの上に、封筒を置いた。
ホッと一息ついてから、鈴江はボッと顔を紅潮させた。
(キャー、置いちゃった、置いちゃったぁ! も、もう後戻りできないからっ!! もう付き合うか、フラれるかしかないからぁ!!!)
妙にテンションが上がってきて、鈴江は心の中で普段のキャラとは似つかわしくない黄色い歓声を上げながら、その場で地団駄を踏む。
(ああ、私! 私はどうしてこんなに後背君のことが好きなんだろう!)
端から見ればものすごく変な子に映るだろうが、早朝のため人目を気にすることもない。
顔を押さえて、しばらく腰を振っていた鈴江は、ふと、違和感に気づいた。
「え?」
顔を上げた鈴江は素っ頓狂な声を出した。
目の前の光景が変わっていた。
教室の中だった。それも、鈴江の通う学校の教室ではなかった。
窓から夕日が差していた。
たった今まで、朝だったのに。
鈴江は自分の体を見回した。
特に変わった様子はない。高校の夏服であるセーラー服に、白ハイソックス、上履きを身につけており、通学鞄とスポーツバッグは、肩にかかったままである。
状況が飲み込めない。
鈴江は教室内を見回している途中で、突然悪寒がして振り返った。
一秒前まで誰もいなかった場所に、少女が立っていた。
顔は、夕日の逆光でわからなかった。ぼさぼさの髪の毛はセミロングだった。
半袖のポロシャツの上に、灰色のサマーベストを着ている。よく見ると、シャツのボタンはちぎれ、ベストは穴が開いたり破れたりしていた。プリーツスカートはホックが壊れているらしくずり下がって見えた。足元は、上履きも靴下も履いておらず素足だった。
「そ、その制服……」
鈴江は少女の着た制服に見覚えがあった。
「もしかして……かの子、さん?」
少女は何の反応も示さなかった。
鈴江はぞくっと背筋が寒くなって、駆けだした。
が、扉の方へ振り向くと、そこにも、まったく同じ少女が立っていた。
「ひっ!?」
鈴江は驚いて後ろを向いた。
真後ろにも、まったく同じ少女がいた。
少女がゆっくりと、鈴江の方へ近づいてきた。
ふと見ると、真横からも、まったく同じ少女が近づいてきていた。
視線を動かすたびに、少女が増えていく。
気づくと、鈴江は、見た目が全く同じ六人の少女に取り囲まれていた。
鈴江は、恐怖に膝が震えた。
「や、……やめてよっ!」
鈴江はバッグを振り回し、その場から逃げようとする。
が、鈴江は手首をつかまれた。
おそろしいほど力が強かった。
「きゃっ!?」
鈴江は、少女達に押し倒された。
なすすべなく、両腕、両脚に一人ずつ四人の少女に乗られ、仰向け大の字に床に押さえつけられてしまう。
一人の少女が鈴江の腰に馬乗りになった。
「きゃっ、ちょ、おねがぃ、やめ――、いやぁああああああああああああっ!!!!」
鈴江は少女の顔を見て、悲鳴を上げた。
少女には、目や鼻や口などはあったが、顔がなかった。
「ひひひひっひひっはひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁあぁ!!!!」
鈴江は、いつの間にか、訳もわからず笑っていた。
首を左右にぶんぶんと振り回し、開きっぱなしの口からはよだれが垂れ、鼻水が噴出し、涙が止めどなく流れ出る。
腕に乗った二人が腋の下を、腰に乗った一人がアバラからお腹を、脚に乗った二人が足の裏を、開脚した股の間に陣取った一人が内股から太ももをくすぐっていた。
「きやぁあぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃぃぃぃいいい嫌あぁぁぁあっはっはっははっはっっはは!!!!」
鈴江には、自分がなぜこんな目に遭うのかわからなかった。
状況が全く飲み込めないまま長時間激しく笑わされ続けた鈴江は、混乱のために頭がおかしくなりそうだった。
「おにゃがいぃぃいひいひひひひひひひひひっ!!! やめてぇえぇぇひゃっはっはっはははははははは!!!」
少女の指が腋の下に食い込んでいくる。
袖から侵入してきた細い指は、冷たく、少し素肌に触れるだけで鈴江の体を震えさせた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!? やぁあぁぁぁ~~はははははははあははだひぇぇええっへっはっはっはは!!!」
セーラー服の裾はめくられ、おへそを指でほじくられる。
「おひゃぁあぁははっははははっ!!! ああぁははっはっははっはは!!!」
両足とも上履きとソックスは脱がされ、素足の足の裏をひっかくようにくすぐられる。
「だぁぁあっはっははっっはははっは!!! 息があぁぁははっはははははっ!!! いきがぁあぁぁぁっひゃははっはっはっはっははっは!!!!」
少女達の力は強く、鈴江の体は大の字からびくとも動かない。
わずかに与えられた自由な部位、首から上、手首から先、足首から先だけが激しく暴れ続ける。
「あぎゃぁあぁあはっはははははは!!!! だめぇえぇぇぇひひひひひひひひひひひひ~~!!!?」
数分ほど擽られ続け、鈴江は勢いよく失禁した。
プシャと音がして、見る見るスカートの中が湿っていく。
床に水たまりができても、少女達の指の勢いはいっこうにおさまらなかった。
♯1 ♯2 ♯3 ♯4 ♯5 ♯6 ♯7 ♯8 ♯9
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
晒そう企画の『ストーカー』を原作に、ホラー要素を含めてリメイクしました。
ジャパニーズホラーのノリって、案外私の嗜好の原点かもしれないと、書いていて思いました。
卓也の下駄箱の前で深呼吸する。
両手で握りしめた薄水色の封筒の中には、鈴江が一晩かけて書き綴った恋文が入っている。いわゆるラブレターである。
鈴江は、勇気を振り絞り、そっと卓也の上履きの上に、封筒を置いた。
ホッと一息ついてから、鈴江はボッと顔を紅潮させた。
(キャー、置いちゃった、置いちゃったぁ! も、もう後戻りできないからっ!! もう付き合うか、フラれるかしかないからぁ!!!)
妙にテンションが上がってきて、鈴江は心の中で普段のキャラとは似つかわしくない黄色い歓声を上げながら、その場で地団駄を踏む。
(ああ、私! 私はどうしてこんなに後背君のことが好きなんだろう!)
端から見ればものすごく変な子に映るだろうが、早朝のため人目を気にすることもない。
顔を押さえて、しばらく腰を振っていた鈴江は、ふと、違和感に気づいた。
「え?」
顔を上げた鈴江は素っ頓狂な声を出した。
目の前の光景が変わっていた。
教室の中だった。それも、鈴江の通う学校の教室ではなかった。
窓から夕日が差していた。
たった今まで、朝だったのに。
鈴江は自分の体を見回した。
特に変わった様子はない。高校の夏服であるセーラー服に、白ハイソックス、上履きを身につけており、通学鞄とスポーツバッグは、肩にかかったままである。
状況が飲み込めない。
鈴江は教室内を見回している途中で、突然悪寒がして振り返った。
一秒前まで誰もいなかった場所に、少女が立っていた。
顔は、夕日の逆光でわからなかった。ぼさぼさの髪の毛はセミロングだった。
半袖のポロシャツの上に、灰色のサマーベストを着ている。よく見ると、シャツのボタンはちぎれ、ベストは穴が開いたり破れたりしていた。プリーツスカートはホックが壊れているらしくずり下がって見えた。足元は、上履きも靴下も履いておらず素足だった。
「そ、その制服……」
鈴江は少女の着た制服に見覚えがあった。
「もしかして……かの子、さん?」
少女は何の反応も示さなかった。
鈴江はぞくっと背筋が寒くなって、駆けだした。
が、扉の方へ振り向くと、そこにも、まったく同じ少女が立っていた。
「ひっ!?」
鈴江は驚いて後ろを向いた。
真後ろにも、まったく同じ少女がいた。
少女がゆっくりと、鈴江の方へ近づいてきた。
ふと見ると、真横からも、まったく同じ少女が近づいてきていた。
視線を動かすたびに、少女が増えていく。
気づくと、鈴江は、見た目が全く同じ六人の少女に取り囲まれていた。
鈴江は、恐怖に膝が震えた。
「や、……やめてよっ!」
鈴江はバッグを振り回し、その場から逃げようとする。
が、鈴江は手首をつかまれた。
おそろしいほど力が強かった。
「きゃっ!?」
鈴江は、少女達に押し倒された。
なすすべなく、両腕、両脚に一人ずつ四人の少女に乗られ、仰向け大の字に床に押さえつけられてしまう。
一人の少女が鈴江の腰に馬乗りになった。
「きゃっ、ちょ、おねがぃ、やめ――、いやぁああああああああああああっ!!!!」
鈴江は少女の顔を見て、悲鳴を上げた。
少女には、目や鼻や口などはあったが、顔がなかった。
「ひひひひっひひっはひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁあぁ!!!!」
鈴江は、いつの間にか、訳もわからず笑っていた。
首を左右にぶんぶんと振り回し、開きっぱなしの口からはよだれが垂れ、鼻水が噴出し、涙が止めどなく流れ出る。
腕に乗った二人が腋の下を、腰に乗った一人がアバラからお腹を、脚に乗った二人が足の裏を、開脚した股の間に陣取った一人が内股から太ももをくすぐっていた。
「きやぁあぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃぃぃぃいいい嫌あぁぁぁあっはっはっははっはっっはは!!!!」
鈴江には、自分がなぜこんな目に遭うのかわからなかった。
状況が全く飲み込めないまま長時間激しく笑わされ続けた鈴江は、混乱のために頭がおかしくなりそうだった。
「おにゃがいぃぃいひいひひひひひひひひひっ!!! やめてぇえぇぇひゃっはっはっはははははははは!!!」
少女の指が腋の下に食い込んでいくる。
袖から侵入してきた細い指は、冷たく、少し素肌に触れるだけで鈴江の体を震えさせた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!? やぁあぁぁぁ~~はははははははあははだひぇぇええっへっはっはっはは!!!」
セーラー服の裾はめくられ、おへそを指でほじくられる。
「おひゃぁあぁははっははははっ!!! ああぁははっはっははっはは!!!」
両足とも上履きとソックスは脱がされ、素足の足の裏をひっかくようにくすぐられる。
「だぁぁあっはっははっっはははっは!!! 息があぁぁははっはははははっ!!! いきがぁあぁぁぁっひゃははっはっはっはっははっは!!!!」
少女達の力は強く、鈴江の体は大の字からびくとも動かない。
わずかに与えられた自由な部位、首から上、手首から先、足首から先だけが激しく暴れ続ける。
「あぎゃぁあぁあはっはははははは!!!! だめぇえぇぇぇひひひひひひひひひひひひ~~!!!?」
数分ほど擽られ続け、鈴江は勢いよく失禁した。
プシャと音がして、見る見るスカートの中が湿っていく。
床に水たまりができても、少女達の指の勢いはいっこうにおさまらなかった。
♯1 ♯2 ♯3 ♯4 ♯5 ♯6 ♯7 ♯8 ♯9
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(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
晒そう企画の『ストーカー』を原作に、ホラー要素を含めてリメイクしました。
ジャパニーズホラーのノリって、案外私の嗜好の原点かもしれないと、書いていて思いました。